小田電、謎の発電所を探せ #4
#3で終わった筈の小田電発電所だが

「箱根登山鉄道のあゆみ」の早川発電所の事が気になる
#3で「山崎発電所の工事の事を早川発電所と誤解」としたが、
どうもしっくりこない
てな訳で、大正関東大震災前の唯一、、いや、もう一冊あるが、
とりま「小田原電気鉄道株式会社 沿革概要/T12」を読み直すと、、、
ぃゃぁ、丸っと早川発電所書いてあるじゃないか
前に読んだんは11年前だし、当時は発電所は二の次で・・・
(オマケに小田原市図書館は星崎廃止、東口新設、かもめ改装で
暫く郷土資料見れんかったんで、、ぃゃ、去年からかもめ→中央で見れたんだが)
【赤枠】『早川発電所新設 早川村地内字梅ヶ窪に新設の第三発電所』
ぉぉぅ、第二でなく第三になってる!梅ヶ窪だから早川本流の第弐が該当する
早川発電所の早川は、河川としての早川でなく、早川村に造られるからか
『出力474kw』、、、しょぼい。湯本茶屋発電所の600kwより少ないじゃないか
逆言えば落差30m程度では妥当な値だ
『大正7年3月出願同九年七月許可』!
出願のは月が違うが大正7年、さいで大正9年7月に許可。完成して無い
さいで現状は『工事施行準備中』工事すらまだ行われて無い
「箱根登山鉄道のあゆみ」はコレを参考にして間違えてる
っーか、どうして許可と完成を間違えたのか、準備中とも書いてあるのに
という訳で第弐改め、第三発電所計画である。詳細は以前の記事参照
大正9年に許可出てるのに、大正12年時点でまだ工事も開始されて無いとは・・・
湯本茶屋発電所水路と三枚橋発電所の水路は、須雲川を挟んで左岸・右岸と別
【緑傍線】『水路を延長』はオリジナルが悪かったんか
(左岸より右岸に移しとは書いてあるのだが)
さいで【ピンク傍線】『(三枚橋発電所)開始と共に湯本茶屋発電所は大正7年11月廃止』
となってるが、コレは多分表向きなハナシと思われ
湯本茶屋発電所は大正11年位まで稼働してた
そもそも水利的に湯本茶屋発電所の取水を止める事で
三枚橋発電所の取水がフルに利用可能となる筈
ある意味駄目なんだけど・・・
大正6年では第一(三枚橋)第二発電所稼働で湯本茶屋は廃止の筈だったんだが、
大正11年時点で三枚橋発電所稼働後も湯本茶屋発電所を動かし、
第二(大窪村)発電所落成まで猶予が与えられた形となってる【赤枠】
第二発電所が第弐、、もとい、第三発電所となって、
大正12年まで計画として残ってたのは、この水利権の特例が絡んでる気がする
もち、第三発電所の出力は474kw程度しか無く、
造ってもしょうがないのは、会社側でも判ってたと思われ
てな訳で湯本茶屋発電所は、表向き大正7年に廃止された事になってる
(この頃、山崎発電所の水利権で滅茶ゴタゴタしてたから、からかな?)
多分、畑宿発電所が大正11年に完成したんで、
湯本茶屋発電所を実際に廃止したと思われる
これで早川発電所の謎は全て解けた!
ぃゃ、ついでにコレも読んで来たけど、
上の宮城野の早川発電所(ちょいと変な事も書いてあるが、気にしない)と別に、
小田電の発電所として下が書かれてて、
まったくソース不明で細かい事も書いて無いし、
どっから大正12年なんて話出たんだろ・・・もう判んないよ
とりま、小田原電気鉄道の早川発電所は計画あったが机上のナントカで、
実際には工事も行われませんでした。というのが最終的結末になります
«ホントに完»