2010/06/07

小田原馬車鉄道(小田原電気鉄道) 旧線

先日箱根/廃線跡探訪としてさらっと紹介したが、知合いの地元の鉄ちゃんも知らないというし、
Web上でも詳しいトコが無かったので、もう少し解説する

この廃線跡は、小田原馬車鉄道の開業から22年間運行された旧線の跡である

小田原馬車鉄道とは、東海道本線が国府津から御殿場経由となってしまった為に
「えらいこっちゃ!」と地元の有志が中心となって引いた私鉄路線である

1888年(明治21年)に馬車鉄道として「国府津-小田原(注.現小田原駅の場所では無い)-湯本」開業

この時、湯本駅手前の山崎付近は、切通しで道が越える台地であったので、
鉄道はそれを避け、前田橋で早川右岸に渡り、落合橋で左岸に戻り、湯本駅に至っていた

1896年(明治29年)小田原馬車鉄道は小田原電気鉄道に改称
1900年(明治33年)全線を電化

1910年(明治43年)水害により前田橋・落合橋流失。本件はこの時までの営業路線
1913年(大正2年)早川左岸のみのルートにより鉄道再開

1919年(大正8年)鉄道線(今の箱根登山鉄道)「箱根湯本-強羅」開業
1920年(大正9年)省線熱海線「国府津-小田原」開業により、
 小田原電気鉄道の「国府津-小田原」間廃止、省線小田原駅に乗り入れ

1928年(昭和3年)箱根登山鉄道株式会社設立
1935年(昭和10年)鉄道線「小田原-箱根湯本」開業
 軌道線(最初に湯本まで引かれた線)「箱根板橋-箱根湯本」廃止
 残存区間を小田原町内線として「早川口-箱根板橋」間を延伸し鉄道線箱根板橋駅に接続

1940年(昭和15年)小田原の市制施行に伴い、小田原市内線に改称
1956年(昭和31年)小田原市内線廃止

以上、簡単に説明(どこが

と、馬車鉄→電鉄→路面電車と68年にも及んだ路線のうち、
最初の22年間のみ早川を越えて右岸を走っていた、、、その区間でもある

付近の地図ココ

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_14?1275864257

大正末の地図。路線は既に早川左岸のみで引かれているが、開業時は赤線のように右岸を経由していた
当時の地図を見つけて無いので、ルートとして正確では無い

追記.前田橋から風祭付近まで、早川沿いを進むルートである事が判明
概略図で現行線と直ぐに合流するのは間違い

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_0?1275864257

現在の国道1号が通る山崎の切通し
国道1号のバイパスとなる小田原箱根道路接続の為、切通しは何度目かの拡幅が行われた
鉄道線(箱根登山鉄道)は、切通しの右手山側を通過している

開業線(明治21年~明治43年)はココを越える事無く、早川を渡る

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_1?1275864257

開業線が早川右岸に渡った場所
先日の吊橋右に架かる赤い橋梁は、箱根新道

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_2?1275864257

吊橋の名称も「前田橋」という。実は昭和57年架橋と、然程古い橋では無い

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_3?1275864257

吊橋の右岸側に箱根町が造った「前田橋案内」がある

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_4?1275864257

写真はおそらく1900年に架け替えられた軌道道路併用木橋(橋長39m)/土木学会橋梁DB

この場所は、観光ルートから外れているし、車両では通り抜けられないので、殆ど知られていない
開業線は、此処から早川右岸を進むが、はっきりしたルートは未確認である

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_5?1275864257

続いて落合橋付近だが、箱根登山鉄道/箱根湯本駅近くなので、ざっくりと観光案内
駅から湯本富士屋ホテル方面、赤い欄干の橋を渡る

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_6?1275864257

あじさい橋である。駅側ではいつも人力車がスタンバってるので、興味のある方は「海風屋」さん検索
(行くのは奥湯本位までで、激坂を登るとかはしないらしい)

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_7?1275864257

あじさい橋上流右岸が開業線跡である
怪しい感じだが、短いながら遊歩道となっている

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_8?1275864257

途中に箱根町の「落合橋案内」が立ってる

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_9?1275864257

写真はこれまた1900年架け替えられた軌道道路併用木橋(橋長33m)/土木学会橋梁DB
明治43年の水害というと、関東大水害の事らしく台風により関東中に被害をもたらしたそうだ

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_10?1275864257

落合橋はここいらに架かっていたようだ

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_11?1275864257

横からだとこんな感じ(かなりアバウト)

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_12?1275864257

落合橋を堪能したら、旧湯本駅にも行ってみよう。現「河鹿荘」辺りが馬車鉄道の「湯本駅」となる
河鹿荘入口道路脇にもこれまた箱根町建造の「湯本駅案内」がある

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/109946/img_109946_24941437_13?1275864257

馬車鉄としての湯本駅は、進行方向を変える為に線路がループになっている、、、
というのを何かで読んだ記憶がある

今回は、開業時の旧線のみの紹介だが、
いずれ全体とか歴史的な事とか突っ込んでマトメ上げられれば良いなぁと思う日々である
(結構膨大な量なんで・・・・)
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コメント

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No title

BAZUさん 初めまして小田原在住の梅沢と申します。小田原の鉄道史を
広く伝えようという活動に着手したところです。

No title

BAZUさん 小田原馬車鉄道のルポ、実に詳細な内容で感心しました。
小田原の鉄道史を紹介する活動に着手したところで、地図や写真を引用させて頂きたいと思いますが、如何でしょうか。小田原市 梅沢

No title

うめへりさん、はじめまして!

地図ですが、1888年(明治21年)からの22年間、
赤線のようなルートを通っていた筈なのですが、正確ではありません

「箱根登山鉄道の歩み」(箱根登山鉄道史)、「箱根の鉄道100年」(市川健三)なども確認したのですが、詳しくは載ってないくて・・・
まさにマボロシの早川右岸軌道な訳です

私の写真はどー使おうと構いません
案内碑の内容(写真等)は多分箱根町が管理してるだろうけど、
往来に置いてあるモノだから、2次使用も問題無いと思いますよ
(碑の写真部分だけをトリミングすると問題アリな気がする)

上記2冊はチェックした方が良いと思いますよ
単に箱根の鉄道だけでなく、小田原馬車→電気鉄道もこの会社なのですから

あと「西さがみ庶民史録/11号」も見ておいた方が良いかと
各社鉄道路線の時代毎の移り変わりは、コレが一番判り易い

No title

BAZUさん ありがとうございます。先日、山崎の吊橋から河鹿荘までのルートを探訪して来ましたが、お蔭様で記念碑は全て分かりました。

小田原・箱根には馬車鉄道や人車の史蹟が残っており、鴨宮には新幹線発祥地の記念碑もあります。また現在は鉄道5社が集まり、特に登山鉄道や小田急電鉄は鉄道ファン向けの話題に事欠きません。

こうした小田原の鉄道を多くの人々に知って頂こうと、有志で展示会を
企画しました。「馬車鉄道から新幹線まで」というテーマで10/7~19の間、国府津駅近くの「ちえのわ」を会場に予定しています(13は休み)。
時間がありましたら是非お立寄り下さい。

No title

以前、台ヶ岳道路についてご教示頂いた者です。

私もこの旧線については興味を持っていますが、まだまだ調査はこれからです。とても参考になりました。『箱根登山鉄道の歩み』は所有していますがおっしゃる通りこのあたりの記述は弱いですね。

ところで、この旧湯本駅付近の早川の左岸沿いの歩道の旧落合橋付近と思われる場所に古レールを見かけました。あまり関係ないかも知れませんが簡単にブログに書いてみましたので、ご笑覧頂ければ幸いです。

No title

連投すいません。ブログ URL の投入に失敗しましたので再投稿させて頂きました。

No title

うめへりさん、どうも!
お役に立てたなら幸いです
展示会とは凄いですね。是非ともお邪魔させていただきます

No title

golgodenkaさん、お久しぶりです
最初判らなくて検索したらGNRがヒットして拝見しました
河鹿荘裏のレールは気付かなかったです

旧湯本駅周辺は、まだ調査中なのですが、判ってる事柄だけでも小出しにしますね
あ、写真無いから明日にでも撮りに行ってこんと、、、

No title

今日から19日まで、国府津駅近くの「ちえのわ」で小田原鉄道歴史展示会を開催しています。BAZUさん紹介の馬車鉄道から新幹線に至るまでの歴史の他、入生田車検場の取材写真、9/15日の大雄山線甲種輸送の一部始終など珍しい写真もあります。また鉄道関連の旧い図書も多数出品している他、人車デザイン手ぬぐい、絵はがきなどの販売もしていますので、是非ご来場下さい。

No title

BUZEさん 早速のご来場と、投稿を有り難うございます。
巾と奥行きのある論評に感心させられました。
入生田へは数回行ってますが、古レールの探索とは恐れ入りました。
今後ともよろしくお願いいたします。