2013/04/08

ハエタタキ(架空裸線路支持柱)のお勉強 #2

#1の続き


以下の資料は「通信工学大鑑/昭和22年再販版」より抜粋

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/725107/img_725107_30450917_3?1365416616

まずは電柱の形状。でも殆ど単柱です
H柱は昔の写真で使われてるのを見た事があります

H柱は電灯線路では、川越えなどスパンの大きい場所で使われてる(現在でも)ので、
そういった向きなんではないかと思います

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/725107/img_725107_30450917_4?1365416616
拡大) 

電電仕様だと市外用となってますが、8線椀木7本のスペック的には同じになる筈です
その場合、本柱の末口は22cm、長さは10m(埋設1/5で地上8m)柱間距離は45mですが、
これは標準形式なので参考程度に

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/725107/img_725107_30450917_5?1365416616

椀木図は良い物が無くて架け替え用のモノですが、参考にはなります
右の電話用は、2線を組みとして扱ってるので、ペアで使われたようです
(8線椀木7本で最大56本の裸線が敷かれるが、回線数は半分の28となる)

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/725107/img_725107_30450917_6?1365416616

椀木には仕様があって、8線用は長さ2.4m/線条間隔28cm、あるいは2.2m/25cm

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/725107/img_725107_30450917_7?1365416616

押金・受金にもあるんですね
押金の穴位置からすると、上下線間は36cmまたは45cmとなります

全国で物凄い数使われたでしょうから、椀木と合わせて既製品だったかも知れません


架空線路は測量の段階でミッチリ決められますが、細かい話は良いでしょう
基本は「真っ直ぐ」で、その方が材料と手間が少ない
曲線は材料以外にも電柱に掛かる負担も増えます

ただ、この日本に真っ直ぐ引けるトコの方が少ないだろうし、
ましてや海沿い山沿いの路線ですから、かなり蛇行するでしょう
それでもなるべく真っ直ぐにルートが取られてる筈です
(曲線部分より直線部分の方が多い筈)

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/725107/img_725107_30450917_8?1365416616

そして最も重要な曲線
左右線間25cm程度なので、かなりピンと張らないと回りと接触してしまいます
8線椀木7本で最大56本の張力はいか程のモノか・・・
1箇所で「グイ」と曲げてしまえば、張力だけで倒れてしまいそう

従って、成るべく緩やかな曲線を描くよう、電柱を2~4本使ってカーブを描かせます
細かい話は強度計算とか色々あるが省略。1本辺り175度~165度というから凡そ170度

青木様の写真でハエタタキが美しい曲線を描いてるのは、地形的なモノでは無く
この仕様に基づいているという事になります (現地は普通に平地川無しの場所)

「特例」は存在するかも知れないけど、
1本辺りの架空線路曲がりは最大165度という情報は、非常に価値の在る情報

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/725107/img_725107_30450917_9?1365416616

それでも電柱は曲がりの内側に倒れやすいので、支線・支柱で支えてやります

真っ直ぐな区間は支線が無いか、あっても両側に同じように張られている筈
曲がる場所では外側のみの支線か、
外側に2本内側に1本の支線などのように、外側が強化されてる筈です

この図でも判りますが、電柱はそのまま埋められている訳ではありません
短い横木を結わえて埋められており、沈下を防いでいます
従って、電柱が回ってしまう事も無い
椀木も電柱にスリットを掘って取り付けられてるので、椀木も回る事は無い

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/725107/img_725107_30450917_10?1365416616

以上の事柄から、現存してるハエタタキは設置時と向き高さは変わってない筈

支線が片方、または1対2などの偏ってる場合には、曲がり部分の可能性大

架空線の曲がりは最大165度として、椀木向きに等しい角度で接続されてた筈
(165度の場合、82.5度ずつ)
一個手前の電柱位置が判るなら、ソコかの椀木角度が、反対側でも同じになる

距離は最大45m位だけど、山間なので多分短い

等々で次のハエタタキ位置が予測できる事になります
架空線を架空の上で引ければ、かなり確かなんすが・・・

斜面の登り降りで決まりがあるのか調べたんすが、コレについては特にありませんでした
急角度の場合は斜面に合わせて電柱を寝かす、、とかは無いみたいです

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/fe/4e/bazu55555/folder/725107/img_725107_30450917_11?1365416616

最後に、架空裸線の距離データが多少見つかったのでマトメました
各年の交通年鑑から。架線や送電を除いた、通信部分だけのデータです

赤線が架空裸線亘長(=距離、延長は回線数分の線長)、
青線(木)・緑線(総数)が電柱の数

昭和28年から昭和30年にかけて、架空裸線の亘長・電柱の数は増えてます
その頃までは新路線とかでも張られていたという事でしょうか

昭和35年(1960年)になると、それぞれ減少しています

国鉄の営業キロ数が減少に逆転したのは、昭和58年(1983年)らしいので、
また新路線は増えていた筈なのに、架空裸線は新設さないか、
他に置き換えられる方が多くなったという事になります

台頭してきたのは被覆ケーブルによる通信線か、
昭和20年代から始まった無線通信か・・・

路線個別の置き換えは、工事記録でも出て来ないと無理かも知れませんが、
東海道本線といえば大幹線なんで、早い時期に架空裸線は廃止されたかも


さて、前置きは終わったので、このシリーズとしていよいよ本編に突入します
次回、マトメ終わったら
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