
国道135号、静岡県熱海市泉元門川分〈いずみもともんがわぶん〉
左に見えるんは大黒崎のリゾートハイツ群

熱海鉄道〈熱海軽便〉はちょい手前で熱海街道を離れ、
大黒崎と次の岬を専用軌道で廻り、稲村で道路に戻る
当サイトでは今更だが、、、
熱海鉄道は、省線熱海線の開通に合わせて小田原-真鶴間が廃止となり、
真鶴から熱海までが最終的に営業していた
省線が熱海まで延びれば消えゆく運命だったが、
それより早く大正12年の関東大震災で壊滅的被害を受け、復旧する事無く廃止されてる
ウチの熱海街道沿い調査〈旧街道道、ハエタタキ〉でも、
これまでの区間に熱海鉄道は走ってたんだが、その遺構は無い
震災被害がでかすぎ、道ごと、山ごと崩れ、道路復旧、後の拡幅で跡形も無い
が、この区間の一部に軌道跡が残っているのは、地元筋〈な人達〉では知られていて、
湯河原まで終わったんで次はコッチだな~と思ってたら、こんな事になるとは・・・
大御所のシン、、探索が入ってしまった

震災でこの辺も被害受けたが、昭和23年頃までは何事も無かったのが・・・
〈注0ラインは大正5年地図からなので、あまり正確ではない。以下同〉

昭和40年代のリゾート開発で、熱海ビーチラインが造られ門川〈湯河原〉側はすっかり変わってしまった
また、ビーチラインの法面工で斜面が削られた場所も多々ある
大黒崎辺りは大規模開発で、元の形からすっかり変わってしまった

そして現在。大黒崎側の明るい緑は後の緑化。当時の斜面は無い
次の岬の濃い緑に期待だが、震災で崩れた場所もあるので、まんま残ってる事は無いだろう

前に出たガードレール外のコンクリ車止め
神奈川県側は当初県道として下田小田原線を整備し、後に二級国道となったが、
静岡県側のその辺はまだ調べて無い
どの時代の車止めだろう

↑があるのは大黒崎の先、左側が明るい緑で、凸凹なく斜面
右が元々の、、だが、結構勾配キツイ

さて、次の岬、、探したが無く無名か。近くのバス停には大名ヶ丘とある
その岬に入るんは、ここいら辺が良さそ

気持ち廻り込むが岬の稜線に出れそ

が、そこを過ぎ、序での旧物件の調査
山側ワッフル法面、海側には斜面。切通しとなってる場所

熱海方の海側には旧ガードレールの柱が残ってる

かつて山に沿ってくの字だった道が、昭和40年頃切通しされて直線になってる
それ以前の道、即ち旧道が海側にあると思われる

ガサゴソすると、おおう、残っている
ようやく本題の国道135号旧道部だ 〈すまんね+αが大きくて〉

路面は、林とマッド、、旧道は舗装されてたと思われるが、剥がされたのかは不明
幅は6~7mあると思うんだが、唯一開けてる場所が沼なんで・・・

それでも旧道部分の山側には石積みの法面がなされていた
ガードレールまであったんだから、昭和40年位まで現役だったのは間違いなさそ
旧道部から来た此処は・・・

旧道から分岐してる作業道のような場所。行き止まりですが
そこから下に行くと何段かの平場がある

井戸の平場の下にはストーンサークル。炭焼きの跡も
この斜面は軌道敷き以外にも使われてたようだ

軌道敷きの調査をしてて、前回書かなかった事を
大堰堤上の平場にはトラックのタイヤ。上の国道から転がってきたのか?

軌道敷きは推定2m幅。最終軌間は762mmで車幅は1.4m程
軌道敷の脇には、シュロ〈ソテツ?〉が植えられたんだろか

参考、改軌(610mm→762mm〉中の3条線路
軽便の後ろに人車も在り、一緒に移ってるおそらく唯一の写真

今回一番の予想外はこのピンクのリボン

防護ネット上には「石置 46m」。写真撮って無いがこの辺に真新しい割った石が転がってた
また切通し奥には、、ピンボケになっちまってるが「石置場」とあった。いずれも新しい
防護ネット上だけなら、落石防止に関するモンかと思うんだがなぁ
「石置場」で思い付いついたんは、早川から湯河原まで、石材切り出しを行ってた過去があり、
根府川、真鶴では現役の石切り場が結構在る
特に江戸城の石垣用石材切り出しは各地で盛んに行われてた
場所毎に各地大名が普請で行い、、、まて、バス停は「大名ヶ丘」だったな

熱海市の石切り場は未調査だったんで、今回慌てて・・・
丁度この岬の上に、大同Ⅰという切り場があるようだ
1を含めた報告書を確認したが、この岬が運ぶルートになってたか不明だが、
海岸に矢穴石が転がってるのなら間違いないだろ

この切通し

奥はなぜか広くなっており、現地では判らんかったが、
慶長-寛永の頃、切り出された石を船積みする前に保管した場所だったかも知れない 〈裏とって無い〉
明治になって人車・軽便で使われるという、二重の文化価値がある
なお、切通しの門川側は石積みで補強されてたが、石積みは逆L字型に積まれてて、建物があったかも
海側に四角く石の縁取りがあり「ぽっとん」〈所謂御不浄〉ではないかと思われ

さて、前回井戸より稲村側を書いて無かった
ちょいとした掘割場を抜けると、、、

藪が酷かったのです
夕闇も近付いてて、体力的にも無理なんで撤退ですが、
このまま素直に稲村まで続いて無いのは事前調査でも判ってたので・・・

二倍目の予想外の井戸。こんなトコに必要だったのだろうか?
ぃゃ、そもそも軽便と関係あるんだろか
もちょい行けば稲村駅。ソコになくてもどっかの駅には給水設備は必要です。蒸気機関だからね
神奈川県側の門川駅は、千歳川というソコソコの川が流れてるが、
静岡県側に川は、、無い事は無いのだが、

実は熱海市におっきな川は無く、昔から水不足で苦労してたそうです
丹那トンネル湧水でも賄い切れず、現在でも深井戸や伊豆半島超えて給水してます
それらが無かった頃には沢からの簡易水道だったらしく、渇水期には大変だったらしい
これまた裏とって無いけど、軽便用にホントに井戸が必要だったのかも知れません
本来なら時間かけてもっと調べたい項目もあるが、ネタ供給の意味も含めて暫定レポという事で
〈すまん、ほとんど+αだった〉