
今昔の明治31年5万分の1地図、大平台付近。
明治20年に造られた車道だが、現在の位置〈黄色〉と随分違うルートで、、ではない
多少の変更や拡幅による線形の違いはあれど、基本的にほぼ同じルートを通っている
明治31年地図が間違ってるのだ
道路だけでなく急峻な谷底を流れる早川の位置もズレている
旧版地図との重ねが不正確なのでは無い
山頂やピークの位置は合ってるので、この付近の川や道の位置が正確に描かれてない

測量は伊能忠敬の頃と変わらず、方向と距離を計測して、それを積み上げる

ただ、それだと誤差が加算されてくので、時折目印となる山頂などで位置を補正する
そういう目印が見える場所なら良いが、谷間など周囲の展望が無いトコでは補正しようが無い
故にズレまくるのである
〈仮に道路上で測量したとしても、、全部はやっては無いと思うが〉
また、川底みたいに「行ってない」場所は「見た目」で描かれるんで、より不正確となる

航空写真による地図作成は太平洋戦争以前から行われてたようだが、
実際に国土地図に反映されるのは、もちょっと後のようである

その後、航空レーザー測量で精度が上がり、かなり正確な地図が係れるようになったが、
5万分の1程度じゃ「道路の移り変わり」などを検証するのは無理だ
道路が実際より太く描かれてるからである
特に国土の紙地図では国道や主要道は〈実際の道幅云々で無く〉太く〈広く〉描く
という仕様があったような、、
故にコーナーは簡略化され、描き切れてない

電子になると、かなり正確に描かれるようになったが、
コレでも実際の道路幅より広い「地図記号としての道路」が描かれてる
スケール尺度が200mなので、その1/20が10m。この辺の国道1号は凡そ9m幅なので、
実際の道幅はスリットに入る幅である
まぁ、そこまで細かい事すると、地図として使えないが

県道732号湯本元箱根線の七曲り
七曲りは通称で、道が幾重にも曲がってる事を表しており、此処では実際には12コーナーある

昭和4年に全通した最後の区間だと思われるが、位置は若干正確で無いにしても頑張って描いてある
〈故にコーナーの方向は若干嘘っこになってしまってる〉

実際の場所に実際のコーナー数を描くには、この幅じゃ無理なわけで、かなり簡略されてる
おまけに箱根新道も重なってるので、実際の道路とはかけ離れた七曲りになってしまってる
また、甘酒茶屋下のヘアピンは、シケイン口〈クチ〉みたいな描き方されてる
5万分の1地図では、道路がこの辺通ってるという程度の認識にしといた方が良い

1万分分の1だと、ちゃんと4コーナーになってるし
てな事以外にも、時折全然違うトコに道描かれてたりする事もあるが
私の場合、昭和20年代以降しか無いが、航空写真もチェックして、古い道〈跡〉を確認してる