撮影日 2013年12月15日

箱根の国道1号、宮ノ下から元箱根の旧道を調査している

両旧道の施工時期がかなり曖昧でしたが、その後の資料調査で少し絞り込めました
昭和12年の自動車走行レポートには、道路状況が4.5~5.5メートル幅、砂利道とあります
それでもきちんと整備されていたのは、大正期から始まった定期運行バスの通行等があったからでしょう

内務省の直轄工事記録によると、昭和12年度までに底倉(宮ノ下)までが終了し、
昭和13年度からは元箱根までが対象となったようです
ただし、宮ノ下から元箱根の道路延長は10キロ位あるので、
この年度行われた2040mはその一部という事になります
翌年の昭和13年度も行われており、工事はまだ続いていたようなのですが、
その後の記録が見付かっていないので、いつ頃まで掛かったのかは不明
また実際に行われた場所の記載も無いので、特定場所の施工時期も判りません
(橋梁等の竣工で絞り込める。施工時の写真が在る場所もある)
この工事により、最小4.5m幅だった道路は、6m~7.5m幅となったようです
現在の道路幅はも少しありますので、後々にも改良工事が行われています

今回調査を行ったのは、恵明学園と芦之湯の間にある2連の折り返しヘアピン
Y地図
ここのバス停が笛塚なので便宜上「笛塚ヘアピン」と呼称します
宮ノ下(恵明学園)方面からヘアピンに突入、、しようとすると内側赤枠に・・・

こんな道があります

現道第一コーナーの内側に、もう一つヘアピンのコーナーがあるのです

内側の道は割と新しい舗装がされており、山側に土止めの石が置かれてます

チャリのトコで舗装は終了となり、以後砂利道となるのですが・・・

クネクネした先で終了となります

末端から振り返ると、最初のクネがカーブのよう・・・
しかし、その先は赤枠にガードレールがあるように、現道にぶつかります

砂利道部を調べてみると、山側にコンクリが路肩に並んでいるような・・・

先の方を見てみると・・・

同じコンクリが続いてます。路肩で間違いなさそ・・・
ただし、現道の堤斜面に消えてます

上の現道から見下ろしてみると、赤線の如く道が続いていたと考えられる

この道は何だろう、と古い航空写真を見ると、上に道が続いている!
もう一つ折り返しの多いヘアピン旧道があった?

てな訳で古い地図を見て見ると、、、今と変わらないヘアピン
実は地図の縮尺が大きいので、道路の細かいカーブなどは省略されているのです

先日、も少し細かい縮尺の地図を見つけました
ちゃんと2折り返しの4コーナーヘアピンが描かれています
かつてはも少し複雑な九十九折れの道だったのです

現道の2コーナーに対して、4つのコーナーを持つヘアピン
レポでは各コーナーを1から4まで番号で表します

旧道の舗装は後のモノですね。新し過ぎます
山側の土止めも、後のモノかも知れません
以前は奥にドッチャリ色んな物が置いてあったので、資材置き場として利用されてると思います
(多分私有地)

現道に戻ってきました。現道第一コーナーと第二コーナーの間のストレート

此処を旧道は横切っている訳ですが、地下を潜ってるのではありません
土砂を積上げて現道が造られているのです
一般的に山側を削って道幅を確保しますが、ヘアピンで線形上ルートが限定されてしまいます
大変でも大量の土砂を積上げるしか無かった訳ですね
そして旧道はその下に・・・赤線の先に出て来る筈です

コーナーの内側は見通しを良くする為、樹木を切って潅木を植えたりしますが、此処は不自然ですね